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ウィペットの心臓

先日、こちらの系統犬2頭が散歩中に具合いが悪くなるという事が続き、病院に行った。
同胎犬で2頭飼われていて、私達はその子達のブリーダーさんや母犬のブリーダーさんとも親しくお付き合いがあり皆ですごく心配した。
最初に受診した病院では、私達が心配するだけの診断結果が出たのだ。



心臓に異常有り



同胎犬が2頭とも…
これは、私達のブリーディングに問題があったせいなのか…?
その2頭の両親に異常はない。
祖父母にも異常はない。
曾祖父母に至っても異常はない。
何が問題だったのか…?



取り合えずは第1の病院で薬を処方されたという事だったが、その先生が発した言葉が動揺しているオーナーさんを更に不安に落とし入れた。



犬種によるものなのかな〜?



はっきりとは分からないから、犬種特有の何かなのか?と言いたかったらしい。
オーナーさんは同じウィペットを飼っている知人に相談した。
そこで、別の病院に行く事をすすめられ第2の病院を訪れた。
やはりそこでも異常あり。
また薬を処方され、生涯飲み続けなければならない様な言い方をされた。
これは大変な事態だ。
まだまだ若い2頭。
一生、薬と縁を切れない生活なんて…
私達も動揺した。
しかし、心電図と血液検査だけで本当に十分なのだろうか?
エコーは?



納得の行かないブリーダー、不安がつのるオーナー、遠くから心配する母犬のブリーダーや私達。
結局、後日ブリーダーさんのかかりつけの病院を受診する事になった。
その病院は、他のブリーダーさんのウィペットも診ていらっしゃるそうで、データの少ないウィペットなだけに少しでも多くの子を診てる先生のアドバイスは是非聞いてみたい。
オーナーさんは第1・第2の病院で処方された薬も持参して診察を受けた。
診察結果は、今すぐ投薬を必要とする状態ではないと言う事だった。
何しろその先生、心電図の開発に携わった方でデータベースにしたのはビーグル。
サイトハウンドには当てはまらないとハッキリおっしゃったそうだ。
そしてもう一つ、診療機器の性能が良くなって来ているせいで病的な異常でない物まで必要以上に拾ってしまうらしい。
そんな事情も有り、涼しくなったら詳しく検査をしてはっきりさせた方が良いという事で、オーナーさんのお住まいに近い専門医を紹介して下さった。
オーナーさんも私達も少しの不安を抱えながらも、薬も必要ないし急を要する状態ではなかった事に安堵した。



今月に入りすぐ、嬉しい知らせが入った。
第4の病院で長時間に渡る精密検査を受けた結果、脱水症状にはなり易いものの心臓には全く異常が認められなかった(^O^)
健全な心臓である事が証明された。
第1の病院で処方された薬の中には利尿剤が含まれていたらしく、ただでさえ脱水気味なのにその薬を飲ませていたら、とんでもない状態に陥っただろう。
幸いにも、オーナーさんは処方された薬を飲ませていなかった。
皆が胸を撫で下ろし、大喜びしたのは言うまでもない(^-^)



しかし、ここで気がかりな事が出て来た。
同じように、心臓が悪い→生涯投薬と言われ通院している子の中には、いや、その多くの子は途中まではこの2頭と同じような経緯を辿ったのではないか?
この子達のように、第3・第4の病院には出会えなかったのではないか?
疑問が残ってしまった。



そして、サイトハウンドって…
一体どんな心臓してるんだろうか(笑)



ついでに、後天的な心臓病は過剰運動によって引き起こされる事もある。
サイトハウンドだからと、やたらと運動させるのは間違いだ。
最近のドッグスポーツブームで、暑い時でも見境なく激しく動かすのは本当に寿命を縮めるだけ。
獲物を追うサイトハウンドだが、それは短時間の作業だ。
だからこそスピードが早いのであって、長時間に渡って獲物を追うものなら相手が疲れるまでダラダラと追っていれば捕獲出来る。
そしてフリスビーのように高くジャンプし、後ろ足から着地する行為は関節や骨盤を傷め易い。
成長期の子犬やある程度の年齢になった犬にはさせない方が良い。


by whippetsyndrome | 2005-09-07 11:38 | ウィペット